2010年3月11日
杜氏 農口尚彦 現代の名工
厚生労働大臣によって卓越した技能者を表彰する制度に 「 現代の名工 」
と言うのがあります。毎年、20部門から150名程選ばれています。
杜氏 農口尚彦さんは、平成18年度で 「 現代の名工 」 を受賞していました。
杜氏 ( とうじ ) と言うのはご存じ、日本酒を仕込む人を指して言いますが、
これがなんと、オリンピック並みなんです。
お酒の原料になるお米は厳選されますが、お米のできばいは、その年の
気象に依り左右されます。そこで、一般的な統計データはあっても、
その年のお米の性質により、かなり細かい微調整が必要になります。
農口さんは、一旦定年を迎え、退職していたのですが、どうしても来て欲しいと
頼まれたところで、最後のお酒の仕込みをしていました。この時のお米には、
一般的な統計データが通用しませんでした。
そこで、試行錯誤が始まりました。
この話を聞いて、驚きと言うよりは、不思議な感じになりました。
それは、お米を水に付ける時間の指定にストップウォッチを使い、指定している
時間が、秒単位なんです。
「 それじゃ、34秒にしてみようか・・・ 」 とか、酵母の湿度を、
「 それじゃ、湿度を2%下げてみようか・・・ 」 と言うような感じなんです。
それでも、ある部分は改善されてもある部分に満足行きません。
国税庁主催の全国新酒鑑評会で、連続12回、通算24回の金賞受賞に輝いて
いる人でさえ、この境地に立たされるなんて、どういう世界なんでしょう?
そこで名匠がとった窮地の一策は、まったく例のない方法にして、賭に出たのでした。
ところが、それが功を奏してこれまでにない味が出るだろうという所まで漕ぎ着けた
のでした。
これは、まさに人生に教科書がないと言わんばかりの作品作りで、窮地に立っても
逆に通常以上の結果を出してしまうと言う、技の宝庫を物語っているようです。
日本酒の神と呼ばれている農口尚彦さんの言葉、「 生きざまが、酒に出る 」
投稿者 ASSeC Japan : 8:00 AM | ニュース & 話題